日本国内の映画館入場者数がピークに達した1958年だったが、翌年には初めて前年を下回った。そのまま下降を続ける1960年代は、70mmやシネラマといった大型映画の時代でもあった。言わずもがな、これは台頭するテレビに対抗するため、映画館でしか体感出来ない臨場感や迫力を前面に押し出したものだ。シネラマの劇場としては、東の「テアトル東京」西の「OS劇場」と、館名入りのパンフレットにはしっかりと記載されており、地方の人間でさえもその映画館の名前は知っていた。70mmにしても大作は勿論のこと、こんなものまで?と思う作品や、本来スタンダードであるはずの『風と共に去りぬ』のリバイバルでさえも70mmにブローアップして上映するという現象まで起きていた(これは2010年以降の何でも3D現象に似ている)。そんな大作主義の一方で、アメリカンニューシネマの登場やATG映画やフランス映画社(後のBOWシリーズ)といったハリウッド以外の世界の名作を配給する会社が設立されたのもこの時代だ。パンフレットも変化を迎え。それまで無料配布されていたB5サイズから、有料のA4サイズが主流となり、『アラビアのロレンス』や『2001年宇宙の旅』のような大判が登場。逆にATG映画は小型化する代わりにページ数を増やしてシナリオ収録や有識者の寄稿など専門性に特化した後の単館系パンフレットの原型を作り上げた。
※記載の年代は日本公開年。製作年はタイトル横に表記されています。


 


■サイコ (1960年アメリカ)制作中


■荒野の七人 (1960年アメリカ)
■ティファニーで朝食を
 (1961年アメリカ)


■野いちご (1957年スウェーデン) 制作中


■アラビアのロレンス (1962年イギリス)


■サウンド・オブ・ミュージック (1965年アメリカ)