大型スクリーン時代だった1960年代の余波をそのまま引きずっていた1970年代。シネラマや70ミリの大作を上映する大劇場やチェーン系封切館と、地方や町なかにある既存館で二極化が生まれ始めていた。日本映画の不振によって繁華街にある映画館の多くは、ボーリング場に転業。ピンク映画を上映することで看板を下ろさない道を選ぶ映画館もあった。映画館の効率化…複合ビルに建て替えて劇場の細分化が進んだのも1970年代だった。それはパンフレットなどのパブリシティにも顕著に表れていた。多くのコレクターからパンフレットのクオリティが低かった時代…と言われる程、内容は希薄だったかも知れない。ただ、フィルムからブローアップされた場面写真と解説、物語の紹介のみで構成されていたとしても、それぞれに味があって面白かった。何よりも、A4サイズ中綴じ12ページから20ページ前後で300円という価格で、今さっき観たばかりの映画の情報が収まっている資料は魅力的だった。
※記載の年代は日本公開年。製作年はタイトル横に表記されています。


 


■小さな恋のメロディ (1971年イギリス)


■タワーリングインフェルノ (1974年アメリカ)
■スティング (1973年アメリカ)
■エクソシスト (1973年アメリカ)


■ヤングフランケンシュタイン (1974年アメリカ)


■恐怖の報酬 (1977年アメリカ)
■ジュリア (1977年アメリカ)