都心のターミナル駅の中で今までミニシアターというものが存在していなかった街、池袋。この街に今年の4月ミニシアターとロードショウ館という二つの顔を持つ『シネ・リーブル池袋』がオープンした。駅からのアクセスが抜群のメトロポリタンプラザ内に位置する当劇場は日活が母体の個性的なミニシアターである。自由に出入りできるロビーと充実した商品を陳列(特に壁面にスラリと並ぶポストカードは圧巻)している売店。「女性のお客様が一人でも観に来られるような劇場を作りたかった」と語るのは支配人の新井勝晴氏。たしかに池袋には商業施設以外に会社が多く、仕事帰りにふらりと立ち寄る女性が安心して観ることが出来るというのは大きなポイントだ。池袋ではまだ珍しい定員入れ替え制にしたのも女性客への配慮だが、「まだそのシステムに慣れていないお客様も多いですね」と苦労も多いようだ。

ロビーの広さや開放的な空間もさることながら是非トイレに入って欲しい。トイレから見ることが出来る池袋の景色は絶景。何しろ壁面が全てガラス張りなのだ。サービス面では当日入場者に限りチケットを提示すればポップコーンを無料で貰えるのがウレシイ。評判が良く上映前には売店に長蛇の列が出来てしまうため早めに貰っておきたい。「他にも映画館ビジネス以外で他業種のサービスで良いものがあったら積極的に取り入れたい」と、新しいサービスに対して意欲的に取り組んでいる。また身障者向けの施設も充実しておりトイレは勿論の事、場内にも車いすで鑑賞できるスペースが設けてあるなど心配りが随所に見ることができる。

オープニングは“マーシャル・ロー”と“現実の続き、夢の終り”といったオープニングとしては地味めな作品だったが、この2作品でも解るように『スクリーン1』では洋画を『スクリーン2』では邦画を始めとしたアジア映画をかけて行くそうだ。母体の日活配給作品以外にも劇場のイメージとコンセプトに合った良い作品であれば提供して行きたいと思っているそうである。


「オープンして3ヶ月、ようやく上映作品の選定をできる流れが出来てきた。これからは各国の映画でジャンルを問わない作品を選定して行きたいですね」と語る新井氏。ようやく池袋のミニシアターという事が浸透してきたのか本当に女性客と年輩のお客様が目立って来たようだ。また、モーニングショーやレイトショーなどの特集上映には朝早くから大勢のお客様が詰めかけている。最近では、子供たちの休みに合わせてアニメーションを上映しており、幅広い年代から親しまれている街の映画館となった。

映画を観る前に、当日は早めにチケットを購入してしまえば整理券を貰えるのでゆっくりとプラザを散策するも良し、ロビーで100インチのモニターを観ながら暇を潰すのも良し「ロビーはお客様が自由に楽しめる空間にしているので映画鑑賞以外にブラリとやって来てお休み頂いても結構です。」と言われる通り、ロビーでモニターを観ているとあっという間に時間が過ぎてしまう。(取材:2000年8月)


【座席】『スクリーン1』180席/『スクリーン2』130席 【音響】『スクリーン1』DTS・SRD /『スクリーン2』SRD

【住所】 東京都豊島区西池袋1-11-1メトロポリタンプラザ8階 【電話】 03-3590-2126

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