大阪の玄関口、梅田に出来た新名所─阪急梅田駅から地下道を歩く事10分の場所に360度、大阪の街を見渡す事が出来る空中庭園展望台を有する“新梅田シティ”。近代的なデザインを施された2つのビル(タワーイーストとタワーウエスト)にはホテルや昭和初期をモチーフにした地下飲食街、都会の中でゆっくりと散策が楽しめる庭園があり仕事帰りのOLやサラリーマン、休日は多くのカップルで賑わうオアシス的な空間だ。そんなタワーイースト4階に1997年12月、『梅田ガーデンシネマ』がオープン…以来、多くの映画ファンに親しまれている。「この場所は梅田の中心部から離れているおかげで、雑踏と喧騒を忘れる事ができる落ち着いた空間だと思います。映画を観終わった後も、いきなり現実に引き戻される事なく余韻に浸っていられるのが特徴ですね。」と語る松本富士子支配人は、こう続ける…「コチラにいらっしゃるお客様は“映画を観る”という目的意識を持って、わざわざ足を運んで下さる方ばかりですから、私たちとしても地下道を歩いて来ていただいた事に見合う作品やサービスを提供しなくては…と思っております」


4階に上がると目の前には関西ミニシアター屈指と言われている広く開放的な空間が広がり、自然光を充分に取り入れられる全面ガラス張りのロビーからは梅田の街が一望でき、映画が始まるまでの待ち時間を快適に過ごす事が可能だ。土・日・祝日は整理券を発行しているのでチケットを購入後ゆっくりと施設を散策するのも良いだろう。また、主な客層としては女性がメインというだけあって随所に女性に向けての配慮が成されている。特に女性用化粧室は明るくガラスの壁面から見える眺望は素晴らしい。「ご利用頂いたお客様から、いつもお褒めをいただいています」
上映作品としては国籍やジャンルに囚われない幅広い良質な作品を提供している。「作品をスタッフで選考していく上で、ミニシアター系の中でも話題作を押えていきたいと思っています。…むしろ、ここに来れば色々な作品を観る事が出来る…と、いうような劇場にしていきたいですね。」最近では年輩のお客様も次第に増え始め、モーニングショウやレイトショウ等で掛かっていた意外な作品がヒットするという現象も起きているという。「映画館で映画を観るという行為はお客様が自ら選択してアクションを起こして足を運ばれる訳ですから、家でビデオを観る以上に魅力のある時間になると思うんです。…それだけにお客様の反応がイマイチだった時はちょっと落ち込みますね。」





コチラのサービスとして“ガーデンシネクラブ”という会員組織がある。年会費込みの入会金2000円で入会すると前売り券よりも安く当日券が購入でき(前売り券も100円引)、毎週水曜日(通常はレディースデー)と日曜最終回は男女共に1000円、そしてスタンプ10個で6ヶ月間有効の劇場招待券が2枚プレゼントされるというのだから映画ファンにとっては、うれしいサービスだ。「このシステムをスタートさせてからヒット作や話題作は勿論ですが、それまであまり当たらなかったジャンルの作品にもお越し頂けるようになりましたね。」今年で5年目を迎えるコチラのサービスもすっかり定着しているようで現在では1000人を越える会員がいる。
「料金的な面だけではなくプラスアルファで何かお客様にお返しできるサービスを考えている所です。」と語る松本支配人。作品と共に劇場への“次には何が?”という期待がより一層高まる。「大きな劇場に比べてミニシアターはお客様との距離が非常に近いですよね…。ですからその距離の取り方に気を使うようにしています。よくいらっしゃる常連の方でも親しく声をかけて良い方と、それを求めていない方もいらっしゃいますから…そういった一人一人の関係を作り出せるのがミニシアターの良い所でもあると思うんです。」と松本支配人は最後にこう語ってくれた「良い意味でマニュアル化されていない所を大切にしていきたいと思っています。」(取材:2003年7月)

【座席】『シネマ1』111席/『シネマ2』111席 
【音響】『シネマ1』SRD/『シネマ2』SR

【住所】大阪府大阪市北区大淀中1-1-88梅田スカイビル タワーイースト4階 
 
2014年2月28日を持ちまして閉館いたしました。



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