“森ビル株式会社”の六本木地区における大規模都市再開発事業によって港区六本木に新しい街─六本木ヒルズが2003年4月25日に誕生した。様々なショップやレストラン等の商業施設、森ビル美術館、テレビ朝日、J-WAVEなどの情報・文化施設、そしてホテルや高層マンション等の宿泊・居住空間が、ひとつの敷地内に併設された東京の新名所として休日には多くの人々が訪れている。

その「六本木ヒルズ」のほぼ中央に位置する場所に9つのスクリーンを有するシネマコンプレックス『VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ(旧ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ)』がオープン。まだ郊外型が主流であったシネコン事業が東京の中心部に進出したという事でオープン当初から多くの注目を集めていた。また2004年に開催された“東京国際映画祭”のメイン会場となり、オープニングでは、けやき坂通りにレッドカーペットが敷き詰められ来場したゲストたちが入場する姿を一目見ようと多くのファンが沿道を埋め尽くした事は記憶に新しい。


東京メトロと都営地下鉄が交差する六本木駅を降り、地下のコンコースを上がって行くと目の前に広がる「六本木ヒルズ」。昼と夜の2つの顔を持つ街にある劇場『VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ』。ガラス張りの外観は高級感を演出すると共に、ライトアップされた夜のエントランスは光に満ち溢れ、幻想的な雰囲気を醸し出している。3階のロビーに入ると5階まで吹き抜けの開放感ある空間が広がり、右手の壁面は全てガラス面となっているおかげで明るい自然光が常に降り注ぐ。左手にはチケットボックスがあり、座席は全席指定。早めにチケットを購入すれば入場時間までゆっくりと敷地内を散策したりショッピングを楽しめるのだ(ちなみにチケットは2日前から購入可能)。またパソコンや携帯電話からインターネットで2日前から上映開始の20分前までチケット購入が可能で、劇場のチケット自動販売機(vit)で発券の手続きができるから窓口で並ぶ手間が省ける。エスカレーターを5階に上がると、まるでSF映画に出てくる宇宙船の通路のようなコリドーが目に飛び込んでくる。

細長い三角のトンネルをくぐり抜けると、広いロビーが出現。まさに非日常の世界を演出する映画館ならではのファンタジックな空間を作り上げている。エスカレーターの奥にはシネマショップ「ザ・ストア」、チケットボックス横にはコンセッションが併設。“ブラックペッパーポップコーン”はコチラでしか味わえない人気メニューのひとつだ。他にもビール、ワイン、シャンパンなど大人向けの充実したメニューが取り揃えられている。

『VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ』は「The Road Showゾーン」と「The Premierゾーン」の2つのゾーンで構成されている。話題の超大作からインディペンデント系の作品を中心に上映される「The Road Showゾーン」には3階に5スクリーン、5階に3スクリーンが設置されており、その中でも最大規模を誇る客席650席を有する「スクリーン7」はシネコンとは思えない大劇場の風格を持っている。日本映画界始まって以来の設備─国内外のトップクラスの映画関係者向けに作られたセレブ専用のバルコニーシート「A-listバルコニー」(一般の方は利用出来ないのが残念だが)が設置されている。また、インディペンデント系作品を中心に上映する「アートスクリーン」では、コチラでしか観る事が出来ない単館上映を行っており“シティ・オブ・ゴッド”や“アメリカン・スプレンダー”といった数々の秀作を上映している。そして「The Premierゾーン」にある「プレミアスクリーン」は飛行機のファーストクラス並の贅沢さを味わえる劇場となっており、200席分の場内にあえて80席分のシートしか設置しておらず、その分シートの間隔に約1.5倍のゆとりを持たせ足下にはフットレストを設置、更に全席リクライニングシート、カップホルダーの代わりに専用サイドテーブルを採用するなど映画館とは思えない快適な空間を作り出している。

3階にあるカフェ&レストラン「カーテンコール」は、深夜まで営業している本格的レストランで壁面に流れる水が清涼感溢れる演出を施している。また、コチラのギャラリーには映画で使われていた小物やアーティストの作品等を展示しており、上映までの待ち時間を快適に過ごすことができる。






眠らない街「六本木」にある映画館らしく毎日レイトショーとオールナイト上映を実施しており、仕事帰りに食事をした後、映画を楽しめるのが特長だ。また、赤ちゃん連れでも映画を楽しめるお母さんのための映画上映会「ママズ・クラブ・シアター」を実施。赤ちゃんが泣いてもすぐに移動出来るように照明を明るく設定したり、音響を小さくしたりと、子育ての息抜きに「気兼ねする事無く映画を満喫出来る」とお母さんに大好評のサービスである。他にも好評のシネマイレージ(会員)サービスでは上映時間に応じてマイルが溜まり商品と交換、映画1本に1ポイント6ポイントで1作品ご招待されるなどリピーターにはウレシイ特典が満載だ。映画館の枠を超えた新しいサービスと充実した施設が新しい映画ファンを呼び戻す事に成功している『VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ』。映画を休日に観るものという固定観念を捨てて仕事帰りに仲間やカップルで朝まで映画…なんていうのも試してはいかがだろうか?(取材:2005年3月)

【座席】 『スクリーン1』164席/『スクリーン2』369席/『スクリーン3』148席/『スクリーン4』124席
     『スクリーン5』265席/『スクリーン6』180席/『スクリーン7』644席(バルコニー6席)
     『アートスクリーン8』108席/『プレミアスクリーン9』79席
【音響】 SRD・DTS・SDDS・SRD-EX・THX

【住所】東京都港区六本木6-10-2 けやき坂コンプレックス内 【電話】03-5775-6090

  本ホームページに掲載されている写真・内容の無断転用はお断りいたします。(C)Minatomachi Cinema Street