山手線沿線の中でも大きなターミナル駅─品川。そこに映画館というイメージは不思議な事に今まで無かった。都内の主要な交通の拠点でありながらアミューズメント施設に乏しかったココ品川に2002年4月25日、新しい映画館が誕生した。ホテル業界でトップに位置する“プリンスホテル”が初めて映画業界に参入した『品川プリンスシネマ』である。その名が示す通り“品川プリンスホテル”内に新設されたエグゼクティブタワー内にある10のスクリーンを有するコチラの劇場はシネコンとは敢えて呼ばず“ホテルシネマ”という新しい位置付けを取っている。


ホテルシネマ…聞き慣れないその言葉には実は大きな意味があるのだ。「ホテル業界というのは宿泊されたお客様を満足させるサービスを提供していくホスピタリティー産業です。お客様とのコミュニケーションを最大限に活用して、お客様の快適な時間を過ごして頂く…そういったホテルマン、ホテルウーマンが持っているサービスのノウハウを映画業界に活かせるのではないだろうか?と、いう所から誕生したものです。」と企画部の笹本猛氏は語る。たしかにホテルの接客サービスが映画館などの娯楽施設のサービスに展開されればワンランク上のアミューズメント空間が誕生するのも頷ける話だ。ホテルには3つの柱があるという笹本氏。それは「食べる・集う・泊まる」という機能。ここに新しくエンターテインメント機能を融合させる事によって、ホテルとしての新しい付加価値が上がって行くという。外国の人々に比べて体を休める旅行が下手な日本人…つい旅先に行くとゆっくりと休むよりも観光スケジュールを時間いっぱい詰め込んで殆どホテルには寝るために帰るだけ…本来の休暇を楽しむという目的から、かなり外れてしまっているのが現状だ。

今、コチラの劇場がやろうとしている事は、本来ホテルが持っている機能を充分に活用して非日常を快適に楽しんでもらおうという事だ。「今のお客様のニーズがマッチしているのか、どんどん利用者が増えてきています」という言葉通りホテルで一日ゆったりと過ごされる観光客が目立つ。映画を観てホテル内にある有名店で食事をする…勿論、終映時間に合わせて予約を取れる訳だから時間を有効に利用できる。当日でも部屋が空いていれば宿泊もできるのだからデートコースとしても最適だ。

「映画で感動しても、その後の食事で台無しになっては意味が無い…やはり食事も宿泊も同じ様に感動を与えられなくてはいけないと思うのです。想い出を大切にする…それがホテルシネマなのです」10のスクリーンの内、4つのプレミアム館を有するのも特徴のひとつ。200席規模の劇場にあえて86席しか座席を設置せず、その分ゆったりと映画を観る事が出来る贅沢…。かつて“スパイダーマン”を上映した際、通常館よりもプレミアム館の利用者数が上回っていたという。勿論、通常館も傾斜が強いスタジアム形式で全席プレミアム館同様、キネット社のシートを採用。座り心地も申し分無い。ロビーは開放的な設計をされており、白を基調とした配色は目に優しくホテルらしい清潔感に溢れている。



入口の手前にはホテルのシェフが“映画を楽しみながら美味しく食べられるものを…”と、サンドウィッチやコーヒーが楽しめるカフェ・ド・シネマがあり、中でもB.L.Tホットサンドは人気のメニューだ。是非、映画館でホテルの味を堪能してはいかがだろう?そして、最大の特長として3ヵ月から6歳までの子供を有料で預け、その間ゆっくりと映画を楽しめるお母さんのための託児施設“だっこルーム”も日頃育児に追われているお母さんに喜ばれているサービスだ。他にもホテルならではの新しいサービスとして買い物の荷物等を預けられるクロークを設置するなど観客の立場に立った心配りがウレシイ。昔から変わらないホテルのサービスを、そのまま映画館という場所に持ってきただけ…実はそれが一番、観客として望んでいた映画館の姿だったのかも知れない。(取材:2002年8月)

【座席】プレミアム館
『スクリーン1』96席/『スクリーン4』96席
『スクリーン7』96席/『スクリーン10』96席
【座席】スタンダード館
『スクリーン2』190席/『スクリーン3』219席
『スクリーン5』219席/『スクリーン6』219席
『スクリーン8』219席/『スクリーン9』190席
【音響】 DS・SR・SRD・SDDS・SRD-EX

【住所】東京都港区高輪4-10-30
【電話】03-5421-1113

  


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