「札幌市内だけでも多くのクリエイターが作品として作られているわけですから、発表の場として劇場が役に立てられたら…と思っています」と語る牧浦氏。第一回目の昨年は8000名という動員数を記録し大成功を収めた事からも、コチラの劇場から新しい才能が羽ばたくのも決して遠い未来の話ではない。
「この狸小路という場所は、年輩の方々が活発な地域なのです。ですから、まずは地域に根ざして女性やご夫婦、シニア層、ファミリー層に合わせた作品編成やサービスを提供して認知していただく事が急務の課題と思っております」と、言われる通り、過去に上映された作品群…“山猫”“1900年”“レインマン”といった文芸大作や人間ドラマから、“インディージョーンズ魔宮の伝説”等のアクション大作に至るまで実に幅広いラインアップで構成されている。「昭和50年代当時はフランス映画社や東宝東和から渋めの作品を穴の開いた時期に上映して、女性のお客様に認知していただこうと赤字覚悟でかけていたそうです(笑)」その成果があって、当時から女性客の姿が多く見られたのも特徴的な劇場だった。ちなみに歴代のヒット作と言えば“もののけ姫”で、お客様の列が狸小路を一周するほど伸びたという。現在は、東宝チェーン系列の作品だけではなく独自で作品を選定しており、作品の幅も以前に比べて格段に広がっている。「我々興行の人間は現場で直接お客様の反応に接するわけです。だから毎日が緊張と喜びの連続ですよ」と語る牧浦氏は最後に、こう続けてくれた。「場内に入ってお客様の顔を見るとワクワクしながらスクリーンを見据えている…その時のお客様って皆さん笑顔なんですよね。そんなお客様の笑顔で劇場をいっぱいにしたい…と、いうのが私の夢です」(取材:2007年8月)
【座席】 『プラザ1』376席/『プラザ2』173席
【音響】 DTS・SRD
【住所】 北海道札幌市中央区南2条西5丁目(狸小路5丁目)
※2010年8月31日を持ちまして閉館いたしました。 |