▲このネオンが夜の銀座に光り輝く。

▲劇場のある通路は正に映画に出てくる世界。

銀座で交通量の多い晴海通りの地下を横切るように存在する『銀座シネパトス』。元々は、三十間堀川を埋め立てて出来た銀座四丁目の三原橋地下街に1967年にオープンした“銀座地球座”と、翌年にオープンした“銀座名画座”という2つの劇場だった。1989年にヒューマックスの直営館『銀座シネパトス』という館名でリニューアル・オープン。“銀座地球座”を2つに分割して現在の3館体制をとっている。上映作品は実にユニークで、ロードショウ作品を上映しているかと思えば、単館作品の上映を行ったり、他の劇場では既に終了している作品をムーヴオーバー館として継続して上映したり…。極めつけはレイトショウで行っている名作の特集上映も行ったりと、4つの顔を持っている劇場なのだ。内容も日本映画もあればハリウッド娯楽作品もあり、芸術性の高いアート系の作品を上映しているかと思えば隣ではB級アクションを上映していたりと、とにかく良い映画、面白い映画なら何でも掛けてしまうのだ。正直、ジャンル分けが不可能な『銀座シネパトス』、本ホームページではロードショウ館の枠に入れさせてもらったものの、来週には全館がミニシアターとなっているかも知れない。事実、取材させて頂いた翌日は『シベリア超特急2』の初日舞台挨拶を控えていながら3週間後には都内ではココだけの上映となっている『写真家の女たち』がプログラムされているのだから次回、何が起こるのか全く予測不可能な映画館なのである。「レイトショーの番組はいつも支配人が頭を悩ませながら自分で組んでいます。何をやるのか解らないから従業員も結構、楽しみにしていますよ。」と、語ってくれたのは技術スタッフの中川智志氏。ジャンルを問わない作品のラインナップを心待ちにしているファンも数多い。あえて枠に劇場を入れてしまうのではなく古今東西関係なく良質の作品を提供していこうという姿勢はオープンから守られ続けている。



▲『シネパトス2』の場内。

『銀座シネパトス』の並ぶ地下通りには、昭和30年代の黒沢明映画に出て来そうな雰囲気が今でも残っており、小さな小料理屋、昔ながらの喫茶店、怪しげなアダルトショップ等などが軒を連ねている。『シネパトス3』の入口横には一人用の小さな公共トイレがあったりと数メートルの間に面白い発見がいくつも出来そう。「銀座の中でもオフィス街に近いせいでしょうか、平日のお昼は結構スーツ姿のサラリーマンが目立ちますね。」と、いう平日の客層もこの土地ならでは。サラリーマンがちょっと、仕事をサボッて息抜きをするのに約2時間の映画は丁度良いのかも知れない。それが、レディースデイ(水曜日)の最終日ともなると、代わって仕事帰りの女性中心となる。こちらのサービスは他にもレイトショーの特集上映の時には前に観たチケットの半券を提示すれば割引料金での鑑賞が可能だ。「レイトショウには30〜40代の男性が大半を占めていますね。中にはリピーターの方がいらっしゃって、毎回顔を出してくれていますよ。」

確かに、こちらのレイトショウで行われている特集上映はユニークなものばかり。それも季節によって内容を考えており、例えば夏になると『夏は妖怪・怪談です!大映の怪談!!』と銘打って妖怪物を上映したり、夏を過ぎる頃に『アダルトシネマ・フェスティバル』と、ピンク映画の名作選を特集したり…こだわったプログラムにファンから高い評価を得ている。中でも成瀬巳喜男監督の作品を特集組んだ時は週末は満席状態だった。「一度足を運んだお客様は必ず何度も足を運んでくれる。」というのも特集上映の組み方と劇場の持つ雰囲気がピッタリとハマっているからであろうか。最後に中川氏はこう語ってくれた。「映画館で映画を観るという事はコンサートに行ったり、美術館で絵を見るのと同じ事…ひとつの芸術を鑑賞する事だと思うんです。その映画を観てどう感じるかが魅力ですね。」(取材:2001年1月)


▲『シネパトス1』の入口とロビー。『2』の向かい。   

『シネパトス1』の場内は、どの座席からでも観易い。▲


▲『シネパトス2・3』の入口。『3』の横には小さな公 共のトイレがあったりしてムードを出している。


▲『シネパトス3』の場内。狭いながらも観易さは一番


【座席】『シネパトス1』200席/『シネパトス2』144席/『シネパトス3』81席
【音響】『シネパトス1』DS・SR 『シネパトス2』DS・SR 『シネパトス3』DS

【住所】東京都中央区銀座4-8-7三原橋地下 ※2013年3月31日をもって閉館となりました。


 
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