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| 今も変わらずに、昔のままのチケット売り場で入場券を購入する。明るい笑顔で「ありがとうございます。」とチケットを渡してくれる。向かいの映画館『シネマ ジャック&ベティ』(本劇場と同じ系列)から上映開始を告げるブザーが鳴り響く。チケットを握り締め受付を通り、上映開始までの間ロビーのソファーに腰掛ける。かすかに場内の音が聞こえて来るのを出来るだけ聞かないように次回上映作品のポスターを見て気を反らそうとする。漂うタバコの匂いの中で懐かしさを感じる劇場…これが『横浜日劇』の光景だ。娯楽作品を中心とした二本立ての名画座、たまに三本立てなんて贅沢な事もやってくれる。その二本立てのセレクトも実に心憎い組み合わせで映画ファンの心をくすぐってくれる。「二本立ての難しさのひとつは一本良い作品があっても、それに合った番組ができる、もう一本の作品が来るまで待っていなくてはならない所。だから良い二本立てが出来るまで作品をいくつか並べて待っているんですよ。」と、経営者である福寿祁久雄氏は語ってくれた。番組の構成も福寿氏が考え、選出しているそうだ。「二本立てとは何かって追求して行くと横浜のスタイルが自然に生まれてくるんです。やはり地元にピッタリとした番組じゃないとダメだということなんです。」 |
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| 確かに福寿氏が言う通りここで上映される二本立てには、ある種の共通性が存在している。「あらゆる側面や立場から描き方が違う映画を見比べる事が出来るのが二本立ての良いところなんです。」こちらの二本立て番組を見ていると劇場のこだわりが色濃く出ており、ある意味小さな特集上映と言っても過言ではない。だからこそ固定客が多いのもうなずける。「うちは固定のお客さんがいなきゃ成り立たないです。」と、いうこちらの劇場の設立は昭和27年、当初邦画専門館としてスタートした(だから日劇という名前を付けたらしい)。それから数年後、横浜では2番目にシネマスコープを導入し洋画専門館に移行し、当時立ち見のお客様で溢れ、場内に入り切らなかったという。今でも入り口に堂々と存在する『CINEMA SCOPE』の看板は当時のままの風格と貫祿を見せてくれている。場内に入ると高い天井が観客を包み込んでくれ、薄明りの中ドキドキしながら上映開始を待つ。こだわり続ける劇場と、そのこだわりに対してハッキリと反応してくれる観客…質と量を求める両者が、もしかすると今の映画界とこれからの映画界を支えて行くのかも知れない。「お客様の立場にたって上映番組を選んでいます。プロなんだけど常にお客様に近づこうと思い、観客が持っている感性とか心理とかを現在の状態で把握して最高の番組を作っていきたい。」と、最後に語ってくれた言葉が印象的だった。(取材:2000年8月) |
| 【座席】 385席 【音響】DS 【住所】神奈川県横浜市若葉町3ー50 ※2005年2月19日を持ちまして閉館いたしました。 |