![]() 「映画の市場は国際市場」を当然とするスタンスで、アジアを拠点に活動する映画監督・高橋玄が新たにスタートさせたプロダクション「GRAND CAFE PICTURES」の第1回作品『CHARON(カロン)』。『不夜城』『キッチン』『もういちど逢いたくて(星月童話)』などの日本香港合作映画で知られるポール・チェン(鄭振邦)プロデューサーのもと、製作費1300万円、撮影期間11日というインディーズ映画が誕生した。また、永いキャリアを誇るプロフェッショナルが企画の意義に共鳴し参集し、低予算ながら国際映画市場に通用する35ミリ・ネガフィルム撮影・プリントによる劇場映画として完成した。 【物語】 |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
映画『CHARON(カロン)』は、脚本の完成度の高さから企画段階で、インディーズ映画『メイド・イン・ホンコン』やタイ映画の大ヒット作『オンバック(日本公開題名『マッハ!』)』を世界的ヒットに押し上げた香港の有力映画配給会社ゴールデン・ネットワーク社が世界配給を決定。すでに 第53回マインハイム・ハイデルベルグ国際映画祭インターナショナル・コンペティション正式招待 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭正式参加 ドーヴィル・アジア映画祭正式招待が決定している。 監督/脚本 高橋玄が語る「CHARON(カロン)とは… 【監督/脚本 高橋玄 プロフィール】 【エグゼクティヴ・プロデューサー 鄭振邦(ポール・チェン) 】 |
| 【港町キネマ通りは、こう観る】
CHARON カロン 2005年 日本 89min グランカフェ・ピクチャーズ配給 観終わった後、何故か脳裏に焼き付いて離れない映画がある。本作もそういった映画の1本だ。主人公のカロンと名乗る女性は謎に包まれた不思議な二重生活を送っている。一切の性生活をしないという契約の元に結婚した著名な作家と、彼女に娼婦として仕事の斡旋を行っている組織の男との半同棲生活。前半、観客は彼女の未知なる部分に惹かれていく。正直、本作で描かれている様々な事柄に対して明確な理由付けは、なされていない。しかし人の生き方なんて、はっきりと提示できるものなんか意外と無いもので、自分自身がとった行動ですら「何であんな事をしたのか?」説明出来ないものが多い。この映画は、そういった説明的な無駄を省きながら現在進行形の人間を描いている。そう、本作には無駄なシーンが無く、それは主人公に限らず脇役の行動に至るまで後に何らかの意味が出て来る。これは高橋玄監督の脚本が二重生活を微妙な力加減で交差させる事に成功しているおかげで複雑になりがちなストーリーを上手くまとめ上げているからに他ならない。後半、突然姿を消したカロンを巡って二人の男性が全く知らない彼女の一面を少しずつ紐解いていくのだが、ここで前半部でばらまいていたジグソーパズルのピースが組み合わさっていくのである。それでも最後まで、どうしてカロンが娼婦となったのか?何故性生活を送らない契約で結婚をしたのか?本当の真意は彼女の口から明らかにされていない。ただ彼女の残酷な過去が解き明かされ映画は終演を迎える。このラストを希望に満ちていると判断するかどうかは観客の判断にお任せするとして…実は、ここに監督がタイトルに選んだ“見えないが確かに存在する冥王星の衛星=カロン”の意図があるのではないだろうか?映画で明確に理由を描く程、人間は単純ではないという事…不確実なままエンドクレジットが流れた時に観客は自分自身を見つめ直す機会を得る事になるだろう。カロンを演じた森崎めぐみの演技は素晴らしく、人生にある意味見切りを付けてしまった女性を目と唇の演技で表現している。 もう一度観たい!と、すぐ思える映画ではない。むしろ一度観た時の自分の心境を何度も反芻して自分の頭の中で映画を組み立てたくなる…そして、もう一度観たくなる…。そんな不思議な魅力のある映画だ。 |
本ホームページに掲載されている写真・内容の無断転用はお断りいたします。Minatomachi Cinema Street