映画館でお得に映画を観る方法 その1 会員制度の利用


各劇場がリピーターを増やすだけの目的ではなく、映画ファン同士が、もっと素晴らしい環境で映画を観る事を前提として独自に開設されている会員組織。入会すれば映画を安く観る事が出来るのは勿論、劇場が主催するセミナーやシンポジウム等にも参加出来るといった特典も用意されている。細かな内容は劇場によって異なるものの、会費を払って入会しても3回観れば元が取れる料金設定となっているのがウレシイ。ちなみに、この会員システムは「岩波ホール」のエキプ・ド・シネマが日本で初めて導入、年会費を払うことで映画館のリピーターを確保し良質な各国の映画を紹介することが可能になったわけだ。1980年以降、ミニシアターが次々と増えていき、そこの劇場で掛かる作品ならば…という理由で劇場の固定ファンが増え続けているのが現状だ。だからこそ、会員制というシステムが成り立つようになってきたのであろう。上手に使えば簡単に入会・年会費の元は取れてしまうのだから、こういったサービスはどんどん活用していってもらいたい。

 前述の通り、比較的早い段階で会員制を導入したのはミニシアターであり、今では殆どの劇場が会員サービスを行っている。今では数多く存在するミニシアターは、会員になっていれば一日映画館の梯子を出来る程…。やはりミニシアターで映画を観る程のコアなファンにとっては会員カードは必要不可欠なアイテムとなっている。

 ミニシアターでありながら自社配給まで手がけているユーロスペースでは会員特典もかなり特殊だ。1,000円の入会・年会費で一年間有効の会員証が発行される。毎回、そのメンバーズカードを提示すれば当日券を1,000円で購入出来るというのが最大のポイント。3回、観れば元は取れてしまう計算になる。勿論、入会した当日から使用できる訳だから一度、来場する機会があれば入会していた方がお得だ。毎月、会員向けの情報を送って来てくれ、しかも自社で発売されるビデオなどの情報も一早くキャッチすることが出来るのが魅力だ。洋画・邦画問わず世界の傑作を上映する個性派劇場だけに一度会員になれば病みつきになること間違いない。
 映画製作を志す若者が集うセミナーが人気の
シアター・イメージ・フォーラムがオープンと同時に始められた会員システムは、2,000円の入会・年会費で毎回1,000円で入場が可能になるばかりか定期的に行われる青山ブックセンターとの共同主催のトークショウなどが会員に限り無料で参加できる。映画鑑賞だけではない特典の数々は正にコチラの劇場ならでは。他にもセミナーなどの各種イベントにも会員割引で利用出来るのだから映画の幅も大きく広がることだろう。しかも継続する場合は更新手数料たったの1,000円さえ払えば2年目からはもっとお得になる計算だ。
 小難しいアート映画よりも判り易い映画を提供する
シネ・アミューズ イースト/ウエストは入会金・年会費1,000円で1年間有効の会員カードが発行される。同時に半年間有効の招待券が2枚進呈されるので、実はこの時点で既に元は取れてしまっている。以降、当日券を購入の際、カードを窓口で提示すれば当日券が1,200円で購入可能だ。前売り券よりも300円もお得というわけ。しかも隔月で上映スケジュールやひと足早い映画情報等お手元に送られてくるのだから、中途半端な情報誌に頼るよりも「詳しく、確か」なのだ。劇場窓口で入会した当日から招待券もカードも使用できるというのが心憎いサービスだ。
 この大英断には頭が下がる…何とメジャーである東宝がミニシアターである
シャンテ・シネで、お得に映画を観てもらうために設立した『シャンテ・シネクラブ』は正会員入会費4,800円と若干割高だが招待券2枚とパンフレット引き替え券2枚、さらに劇場内売店で有効な100円割引券2枚がついて当日料金が1,200円になるのだから、あと1本も観れば軽く元を採ってしまう。さらに特別会員10,000円ならば招待券5枚とパンフレット引き替え券5枚、劇場内売店100円割引券5枚がついて当日料金が1,200円になる上、東宝直営館(一部除く)でも1,500円で利用出来る。しかも、両方とも毎週木曜日はシャンテ・シネに限り会員証提示で1,000円になるのだから驚く。より安く映画をたくさん観て欲しいという東宝の一歩進んだサービスだ。
 ミニシアターの先駆けと言える
岩波ホールでは、設立当初から立ち上げている『エキプ・ド・シネマ』という会員組織がある。映画館の設立と同時に「世界の埋もれた名作を観てもらいたい。」と発足した“エキプ・ド・シネマ”。エキプというのは仲間という意味で運命共同体という意味も持っている…つまり「映画を通じた運命共同体」の会というわけだ。入会は至って簡単。専用用紙に必要事項を記入するだけでOK。入会金2,000円で2年間有効の会員証が手渡される。1階のチケット窓口で提示すれば当日券1,800円のところを1,600円で鑑賞が可能、しかも次回上映作品の前売り券を窓口で購入すると1,200円と共に一人2枚まで前売りも割引の対象となるのがウレシイ。定期的に上映作品の案内も送られてくるので是非、入会して映画の世界を広げていただきたい。
 大阪にある
梅田ガーデンシネマの会員組織『ガーデンシネクラブ』では入会金(年会費込み)2,000円で1年間有効の会員証が発行される。入場料金が、前売料金(当日ではなく前売券の料金)より100円割引となる他、水曜日と日曜日の最終回(レイトショーはのぞく)は当日料金1,000円で観賞出来る。さらに、一般前売券も会員証を提示すれば100円割引となる等、格安で映画を観る事ができる。またスタンプカードに、入場1回につきスタンプを1個ずつ捺印。スタンプが10個たまると、招待券(6ヶ月間有効)を2枚プレゼントされる。他劇場でも提携割引を実施しており、会員証を提示すると提携割引料金にて入場できる。また、割引以外にも劇場のラインナップなどが掲載されたシネクラブ会報「Tout Va BIEN」を発行している。


 通常でさえ安く映画を観る映画館“名画座”で、さらに安く観る事が出来る会員制を導入している劇場はファンにとっては頼もしい存在。そんな名画座も劇場に一人でも多くの方に来てもらいたいと会員サービスを始めている所も少なくない。

 名画座の聖地として古くから親しまれて来た池袋にある新生文芸坐でも会員組織“文芸坐友の会”を発足している。年会費2,000円(2年目から継続は1,000円)で1年間有効の会員証が発行され、さらに1回分の招待券がプレゼントされる。通常1,300円の入場料が1,000円になる他、会員証にはスタンプカードとしての機能も備わっており、1回観る毎に1ポイント加算され10ポイントで1回無料になる仕組みだ。普通、会員証は本人に限り有効なのだがコチラでは毎月ファミリー券が郵送されてくる。これを使えば本人以外でも3名まで会員価格で劇場が利用出来るのだからデートや家族サービスには最高の特典である。また、毎月発行されているスケジュール表も同送され、日替わりで上映される作品もいち早く手に入るのが重宝されている。
 飯田橋にある“名画座”
ギンレイホールでは画期的な会員サービス“シネマクラブ”がある。業界でもかなり画期的な試みとして知られている『ギンレイ・シネ・パスポート』を発行。シングル10,000円、ペア18,000円、グループ30,000円と分けられたカードは1年間フリーパスとなっており、入場時にカードを機械に通すだけでOK。勿論、1年間で何度でも自由に出入りができる。年間50本以上の映画を上映しているのだから、その全てを観ることも二本立の作品を別の日にバラして観ることも、また気に入った作品を何度でも観ることだって可能なのだ。さらに会員には独自の映画情報が満載された会報誌が配布される。


 

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