バンテージ・ポイント VANTAGE POINT
大統領を狙撃した1発の銃弾。目撃者は8人。しかし、彼らが見たものはくい違っていた。8つの異なる視点の先に潜む隠された真実とは。

2008年 アメリカ カラー スコープサイズ 90min ソニー・ピクチャーズ エンターテインメント配給
製作 カラム・グリーン、リンウッド・スピンクス 監督 ピート・トラヴィス 脚本 バリー・L・レヴィ
撮影 アミール・モクリ 音楽 アトリ・オルヴァルソン 美術 ブリジット・プロシェ 
編集 スチュアート・ベアード A.C.E. 衣装 ルカ・モスカ 原作 ニール・H・モリッツ
出演 デニス・クエイド、フォレスト・ウィッテカー、マシュー・フォックス、ウィリアム・ハート、
シガーニー・ウィーヴァー 、アイェレット・ソラー、エドガー・ラミレス、エドゥアルド・ノリエガ、
サイード・タグマウイ

2008年3月8日(土)より サロンパスルーブル丸の内ほか全国ロードショウ
オフィシャルサイト http://www.sonypictures.jp/movies/vantagepoint/index.html


 スペインのサラマンカで開催される首脳会談に出席する米大統領が、大群衆を前に広場でテロ撲滅のスピーチを行う最中、突然何者かに狙撃された。パニック状態に陥った広場の中で、狙撃の瞬間を目撃したのは8人―。事件の真相に迫るため、8人の異なる視点を追いかけるシークレットサービス。全ての視点〈バンテージ・ポイント〉から見えたものの先にある事件の真相とは?8つの視点の先に大統領暗殺事件の陰に隠された本当の事件が見えてくる。斬新なストーリー設定で見るものの目を奪い、スピード感溢れる映像は手に汗握らずにいられないシーンの連続。知的好奇心を掻き立てる斬新な脚本と手に汗握るスピード感溢れる映像…そしてハリウッド屈指の豪華なキャストが折り重なり、驚愕のクライマックスへと加速していくハイスピード・サスペンス・アクション大作がここに誕生した。複雑な物語を見事にまとめあげたのは北アイルランドで起きた爆発事件を描いたテレビドラマ“Omagh”で高い評価を得たピート・トラヴィス。本作が彼の映画監督デビューとなる。演じるのは、8つの視点を追うシークレットサービスに、確かな演技力で観客を映画の世界に引き込むデニス・クエイド、デニスの同僚役には大人気ドラマ「LOST」主演のマシュー・フォックス、さらに『ラストキング・オブ・スコットランド』で第79回アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したフォレスト・ウィッテカー、『蜘蛛女のキス』でアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、その後も数多くノミネートされているウィリアム・ハート、『エイリアン』シリーズに主演し、『エイリアン2』などでアカデミー賞にノミネートされたシガーニー・ウィーヴァーなど一流のキャストが勢ぞろいした。


※物語の結末にふれている部分がございますので予めご了承下さい。
 スペイン・サラマンカ、マヨール広場。シークレット・サービスのトーマス・バーンス(デニス・クエイド)は、国際テロ対策首脳会議に出席するアシュトン米国大統領(ウィリアム・ハート)の警護にあてっていた。ところが、大群衆を前に挨拶しようとした大統領に、1発の銃弾が浴びせられ、続いて広場で大爆発が発生する。バーンズと共に演壇上で護衛していた、シークレット・サービス同僚のテイラー(マシュー・フォックス)。狙撃の一部始終を全世界にライブ中継していた、テレビプロデューサーのレックス(シガーニー・ウィーヴァー)。更に偶然にも狙撃犯を自分のビデオカメラに収めたというアメリカ人旅行者のハワード(フォレスト・ウィッテカー)等、パニックに陥った広場で、鍵を握る目撃者は8人。しかし、職業も国籍も異なる彼らが各々の地点・立場から見たものはくい違っていた。事件の裏に潜む真相を、たったひとりで追い始めるバーンズ。錯綜する策略の中、彼は証言のひとつひとつをジグソーパズルを組み立てるかのように検証していく。そして、事件の背景に隠れていた意外な人物の動きによって、衝撃の結末が見えてくる。


 最近、何でもかんでもCG合成だらけの映画が多くて、勿論それなりに楽しめるのだが、実写を観ている気がしなくなっている今日この頃。そんな中に飛び込んできた本作…CG合成は最低限に抑え、アナログによるアクションの醍醐味を満喫できる逸品だ。スペインのサラマンカ広場でアメリカ大統領が演説時に狙撃され、さらに事態は二転三転…それを90分という、これもまた最近では珍しく潔い短さにまとめあげている。冒頭からいきなり本題が始まり、我々観客はいきなり事件の真っ只中に放り込まれ、最後までノンストップ&ハイテンションの展開を楽しめる。本作は大統領が狙撃された瞬間から23分前に遡り、様々な登場人物たちの様子を捉えたリワインドムービーで目撃者と犯人が入り乱れて観客を混乱させるのだ。タイトルの『バンテージポイント』とは異なる視点という意味で、正にシークレットサービスの主人公が広場でビデオカメラを回していた男やテレビ局のカメラ等、様々な角度から映し出された映像から犯人を突き止めるまでを描いている。この手のリワインドムービーに欠かせないのは何と言っても編集=構成技術。一歩間違えると訳が解らなくなってしまうのだが、職人芸並みの巧みな編集によって、視覚的に混乱させつつも少しずつ事件の真相に近づくにつれて緊迫感が高まってくる。
 前半は8つの視点から見た狙撃事件の状況をしっかりと観客の脳裏に焼き付け、事件の裏に隠された意外な事実が明らかになった後半はアドレナリンが急上昇しそうなカーアクションが展開される。今までのカーアクションと違い左右の歩道を大勢の人間が行き交っている道路をビュンビュン高速でチェイスを行うのだから、半端ではない。後半のカーチェイスも前半同様の素晴らしいカメラワークが冴え渡る。大きく画面が揺れるハンディカメラの映像は、観客が同じ車に乗っている(あるいは歩道を横切っている)かのような気分にさせる。狙撃されてから逃げ惑う群集の中で大爆発が起こるシーンも実寸大のマヨール広場を再現して迫力ある映像を実現している。これが映画初監督とは思えない程、ピート・トラヴィスのこだわり感たっぷりの演出はお見事!

「私の暗殺は報復なのか…」アシュトン大統領を演じるウィリアム・ハートがため息まじりにつぶやくセリフ。大統領の命は、こうした報復や復讐、見せしめ等によって狙われるのだ。

 

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